〈座談会〉よい高等教育機関とは?高校生にとってよりよい進路選択とは?

5. 先生方からのアドバイス

高校生は、どこに着眼して進路選択をすればいいのだろうか?

それぞれの先生方からアドバイスを頂きました!

高校生が進路選択を考える際のポイント

九州産業大学商学部 教授
聞間 理氏

選んで終わりで指導の方も選ばせて終わりみたいに思ってるけど、実は大事なのはその先の検証ですよね。 工学部と文系の中で検証がやっぱり文系は弱くて、選んだあとに本当にそれが自分にとってプラスに働くのかとか、当然自分でやってるのかとか(行動に移しているのか)、自分が向いてるかどうか入る前に調べてこないと、入門書みたいなものを読んでみたらちょっと違うなって思ったら引き返せるじゃないですか。 そういうの何もなしに、選択したらそれでいいんだって感じでいきなり入って、入ってからミスマッチでメチャメチャ苦しむ学生の割合が多いんですよね。 こっちもなんとかそれを減らそうとして一生懸命やってるんだけども、もっと生徒たち、、高校生中学生それから現場の方で、進路の研究をすべきですね。

本当に自分が行くに値する体勢が整っているか、いった先に自分が学びたいことが待ってるかくらい検証してから選ぶってことが大事だと思います。

香蘭女子短期大学 教授
中濵 雄一郎氏

ネット情報だけで学校を選択することが、このコロナの影響で強まっている気がしています。 そうすると、入学してから「えっ、違う」って感じるが新入生が例年以上に多くいるのではないかと危惧しています。 だからオープンキャンパスに行ってみたり、ちゃんと窓口に聞いたり、そういう努力をして欲しいなっていうのがあります。

特にまだ高校の現場で偏差値なんてものがずっと生き続けてるみたいなんですけど、学歴とかなんとかって今あんまり見てなくて、何をしたかっていうところがすごく重要になってきているから、”そこ”で何ができるかをよく調べて、できることが自分が興味があるかどうか、、そういうので選んでほしいなって思います。

福岡大学商学部 教授
田村 馨氏

実態としてどこまで今高校生がどこの大学に行くどこの短大どこの専門学校に行くって事に関して裁量があるんですかね。 基本的に個人の自由で選べるんですか? 学校はそこに関わらない?

大学生に聞くと、とにかく成績が良い子は「国立行け国立行け」と先生から言われ事があると。 だからそこの部分、、そういう高校の先生なり、塾の予備校の先生からのプレッシャーに負けない進路選択ができればいいんじゃないですか。

麻生専門学校グループ法人本部 広報部長
久米田 周作氏

田村先生がおっしゃったみたいに、まずそこから考えないと、恐らく高校生に進路選択の仕方を教えたところで、自分たちで選ぶ権限はないといった生徒もいるでしょうし、高等学校によっては高校の先生からこういう進路選択をしなさいと言われている以上、その時点で選択の幅が限られるので、あとはもうその中からどう選ぶかという視点でしか話ができなくなってしまうからですね、難しい問題だなと思います。

私は直接高校生の進路相談を受けることもあるのですが、実際にあった話で、専門学校の見学の予約をする携帯のボタンを押す時、手が震えたと。本人は専門学校に行きたいけど進学校という事もあり、周りから反対されていると。 でもやっぱり専門に進みたくて、怖くて手が震えたけど、ボタンを押してきました、という高校生もいました。 学校の先生にも相談できないし、親にも言えない。 私も高校生の娘がいますが、もしそんな思いを一人で抱えていると考えると、とても不安だろうなと思います。

最終的に進路を決めるのは本人であり、進路選択の決定権をきちんとゆだねることが大事だと思います。 親や先生の立場で助言をする際は高校生の視点に立ってしっかりとした説明が必要だと考えますね。

色々なお話をどうもありがとうございます。

まとめ

高校の先生達は忙しいから、進路指導やどう進路学習すべきかっていうところを、半分ちょっと諦めてるじゃないですけど、こういう議論を本当は学校の中でも行われるべきだし、生徒とも行われるべきだけど、やっぱり難しすぎるからみんな途中で諦めている節があるんじゃないでしょうか。

私達としてはそれを諦めずにずっと議論し続け、その考えを、その時々の納得解なり最適解をここ、ドリサーチで発信し続けるってことが重要かなと思っていますので、引き続きどうぞお楽しみに。

高校生にとっての進路選択の着眼点は、誰のための人生なのか。
プレッシャーに負けない進路選択を、という話もありましたが一度しかない自分の人生において、大きな分岐点となる進路選択です。
とことん、検証して、努力して、納得して、前に進んで欲しいと思います。

人生は十人十色。
価値観も生きがいも背景も異なる。

もしかしたら本座談会で切り取った情報は偏ったものかもしれないけれど、
色んな校種でこんな大人たちが、
君たちのよりよい未来のために
切磋琢磨していることが伝われば幸いだ。